そのアメシストの光線は初秋の太陽光を屈折し、手の平にL字状の赤い静脈のように単純なモアレに見える。足尾から日光への峠で見つけられた、言ってみれば、隆三の脚力が今でも、2500メートル越の特殊に見える筋肉繊維を連想して、右手で方って快晴のムラサキの雲の隙間から愉快に黄に変わっていく。白いDinoのコクピットで、かろうじて通れる峠道へ、イタリアンカーをそれも、メーターは地球を一周していた。コクピットはFERRARIの308GTBのものを流用して、極めて美しく白いボデイラインの描く、後期型の欠点のないフォルムを、佳代のLP500に見せている。コウシンソウの自生地へもちろん、東工大の水田研の依頼を無視はできず、渡良瀬川を足尾まで、保守されない舗装道路をそれでも、80kmは出ていた。

「黄銅鉱の出る周辺に、結構、落っこちているよ、紫水晶。」

　クリアグラスペーパーのどこかに置くだけのこの大きい結晶は、クスミが無く、重さから結晶たいであることが分かる。

「コウシンソウ、ありがとう。」

　佳代は往復に危険を無視して、峠から、自生地へ、発見できるわけもない、食虫植物、ムシトリスミレの地方型のコロニーへ、無論、隆三のサポートで行けた。亜硫酸の雲で、高木は枯れ失われて、かといって、種々の低木の切れる中間部にその美しい花弁を見せていた。スマホで撮影、一旦、峠に、その後、採取。

　「月刊、ビレイ・ペン社」は、立ちあげて、もう3年、二人は千葉大の理工学部、3年だった。20ページで￥980、表紙にこのコウシンソウを乗っけようと、言うが、渡良瀬の鉱毒事件の背後に自生のスミレはもう戻れない、資金の大方は、佳代の父親の間一平の工場の上がりから、来ていた、￥20億の一部で済んだ。メンバーは7名、今日も、高井戸の事務所で奮戦中。

「そろそろ行こうか、このエンジンはここを嫌ってるよ、多分、横置きを乗ってみたからに過ぎない。」

　30分で、日光へ出た。紅葉の中、2台のイタリアンは、心地よい、サウンドで日光・宇都宮高速を緩いワインディングを200kmで、

「おいおい、直列12気筒で、この2.4リッターを安定させるのか、ストラトスが黙っちゃうって、許せないのよ。」

千葉大工学部、菱見研、ここでは、制約違反から、行動推測をほぼ実現しようとしていた、fujitsuの方式とは異なり、差分と微分の組み合わせで、テイラーのzero展開とフーリエの係数を場合分けすることで求めていく方法のシーケンスを組んでいる。

「武井君、ちょっと来て、チャートの実験手伝って。」

　ハウレットパターンの視線の移行の実験は、成果が上がり、予想以上の意味を持ちつつあった。

「誰か電話に出てくれないか、こっちは手が離せないのだ。」

　電話は、ここ1か月の不信電話らしかった。菱見はほぼ知っていたが、事実上、当然でもあり、ヤマハのマシンとの組合わせで、言わば、「投影機」のブロックグラムは出来上がっていた。

「また、ICIでしょう、自然保護もいけれど。」

　隆三と佳代は、医学部との連携で、「ファイバーメス」の開発を進めていた。太陽の異常が始まってもう2週間、ただ事でない状況を漏らすことは、イギリスのメーカーとの暗黙の「協定」上、ロックされていた。

「教授、発光管の波長の調整、これではないかと。」

　同時系を使う、一種の友グラフで投影機とフェーザーを組み合わせることで、遠距離のdelayが激減する。しかし、全長は1kmに及ぶ。time　tunnelを使って、太陽の核の異常増進を止めるしかなかった。問題はNIKONが感づいて、いることで、上から圧力をかけかねない。

　陸上のsystemが望ましいが、この建造自体を知られることで、おそらく、停止してしまう。残るのは、海自の秘密である、「すさのう」に搭載するしか、この場合、意外に短い、全長は220mで、排水量2万８千トンのスペースに納まるか、だった。

　菱見は二人を連れて、秘密裏の接触に向かった。目にする、超潜、「すさのう」は、ほぼ完成しており、地下700mのドックには、薄い水色の船体が。内部構造の若干の変更で可能という結論だが、ぶっつけ本番の出港は、普通の潜水でもなく、この大井ふ頭の直下にゲートを作るように、急ピッチで径89mの掘削が。ここまでの距離は３ｋｍもあるのだ。

　翌日、急報、「太陽の輻射」がγ線のlevelで、致死量、直射で数時間の絶命に。菱見は都のホットラインで、23区を覆う、バリアの起動に向かった。このまま一日続くと。起動できたのは、地球上の３２都市のみで、最悪、残るのは５％、まあのんびりとしたもので、その通り、異常は1時間で停止した。

「ねえ、野辺山へ行ったら、このDinoが、一番、美女ね。」

　こういう縮退の原因の一つかもしれない、施設、厄介なもの。246Dinoは、悪路に悲鳴の隆三に、佳代の眼に写る八の峰々は戻れない宿命を感じていた。

「起動管のレーザー光を正確にπ/２で、当てることが、これでは、不可能。と、すると、ミラーの増幅で、だろうな。」

　菱見のいないまま、二人の学生の会話は続く。

「Gass炭素＋セミコンダクタで、リップルを取っておくと、共鳴の集中で、ここで、位相を持てるが、このL成分の比が、一応、越えている。」

　アダプター上の電卓を高速で打つ、Macのモニターに、数字が出る。99.99で、停止。手書きで、係数Kを式に書き込む。問題は、効率が少なくても、1.5以上。二つ目の係数は、有理数であるか、ここでチェック。菱見のいないまま、時々来る、武井に聞いても応えず。だが、真っ青の顔に言う言葉もなし。

　「できているのか、スペック通りらしいな。」

　40kgは細い腕では、とも思うが、結構、腕力も。EMI試験室から、５ｋｍ離れた、もう一つの、EMI試験室の中に置かれた、電気二重層内に、置かれた重水素にプラズマ振動を起こすというもの。settingに3日、PCでモニターする中、実験は続くが、遂にこっちのモニターに向うのモニター上のsinカーブが現れた。

「こうすると、位相は、こうこれで、shiftするはず。」

　携帯に出ながら、リサージュが、回転。電話は切れずに、手で、データーを記録するように、命じる。

「これは、良いけどさあ、教授は消えてもいいのか、どうしても、これの意味が、分かってきたけれどさあ、そうだ、コウシンソウに水を。」

　どうも、こっちのtaskはクリアで、いつもの、他の研究室の連中が。どうも、向うへ行ったらしい。

　ただ、使ったdelay-lineの減衰率がギリギリらしい。最初に調べておけばいいものを。hpのスペアナって、固執する様子にも、国を感じる。

　「飯、食べていこうか。」

　で、首都、環8の伊太利屋へ。LP500は、黒で目立っている。

　食後、Mr.Fujioka亭を訪れる。基本的にはいいが、色々と、あるが現時点では、それでいい、という話。青いリメニテスについて、聴くと、それは、いいことで、特に種の意味の上では、あり得るが、こういう例も。と、5種を解析した結果が出ている、化学構造を示すと、やっと息をついた。

「どれほどの、時代に生きているということだよ。」

　アサマシジミの近縁の外来種の標本を。席を外して、奥の応接へ、3時間後、「多分、大丈夫ですよ。」

　この地上の人々の意味を言うのでもなく、まだ、何も始まってはいないことを、強調した。海中の時代にあったことの例を。それは、現れ、消えていった、ことに言及。

　もう弥生、早春の東京、生命の萌える時期。春風を行く人々もいるけれど、12気筒の音をひそめてレインボーブリッジを。A380の巨体が浮かぶように、何処かへ。

　多分、成功するだろうと、結果は見えていた。この時を越えようと、指示に従ったが、朝日に向かう道に越えるものは。

「新居には、swift　turboでも、置くか。」

　状況はもう1年前とは、太陽の中心核のカオス変動は、ここ2か月で、振動の見かけの振幅は、徐々に納まり、問題のXレイの放射はほぼ安定期のlevelに落ち込んでいた。野辺山のsystemのアクチブな量子効果で、初期の腕の暗黒部に縮退効果がはっきりと、現れていた。量子因子は、初期の4個＋スピンのODDは、想定内に納まっていた。とりもなおさず、カオス力はやはりblack-holeの近傍の通過によるもので、その確証は、水星に置かれたフーリエ・ロランシステムのデーターの認識機能のベースに付随の「γ-software」の真偽問題で暗礁に乗り上げていた。

　softwareの業界に政府が規制を強め、「HDD－プライ方式」のストレージ型の採用から、人的、デリバリーの追跡に手惑い、その間に、サージ・ウィルスと言える、new　typeの「情報毒」は、読めないサブルーチンの動きを支配、一部機能が使えない状況に陥っていた。更に、new-evolumeという疑似進化論があらゆる情報機関において有効で、エキスパートの投入も無駄だった。

「核の動きは、長期的に安定という結論は出ている現段階で、この野辺山の停止は、当然で、ここでカスケード閉鎖の危険性においての、一部機能の削除が安全係数、３で、有効であることは、事実です。」

　新人の民主共和党の若い、党首の言葉は受け入れられ、「23危機管理委員会」は解散動議へ。すさのうの存在を知られずに、残りは、systemのinstallで解決に向かう段階に。G30に参加中の菱見は残りの0.1%の段階で、癌の進行との競争に冷静に指示権の譲与を行った上での参加。仏、マレンティ首席とのコンタクトは、G30の席上で行われ、すさのう、同型をシャルルとの協調的な動きで、インド洋沖、経度85%の位置に減速、アンカーを降ろした。マラッカの停止にすさのうは成功し、カウントダウンが、systemの稼働は無人で行うが、脱出に手惑い、この最後のtimingが、危うい状況で、今は妻である佳代は遠い南極の米基地に。G30、開催地のメルボルンから、高速ジェットヘリへ移動、隆三と2名は全アンカーの除去にあたるが、アクシデントの連続で、終了は、残り1時間、

「何としても、脱出させろ。」

とシャルル上のもう一人の隠れた行動可にいる、事実上の仏の首席が、いらつく、声で。だが、最新空母は速力を34ノットに上げ、危険EREAを脱出して、心臓部の500億KWのurtra-computerによる支持を開始、周囲に径200kmの暴風雨を、中心へsystemを移動させていく、野辺山からの停止勧告は無視していた。

「おい、もう大丈夫だ、今度は何処へ行くのか決めてはいないが、石川はそっちへ向かった、30分で降りる。」

　残る白煙、3万トンの洋上の城は消え去り、頭上に太陽が現れた。

「バリア解除だ。」

「ボブ、いや艦長、実際終わりと思うでしょうね、」

　全員、陸へ最も近いのは、南極。その中、放射能除去の放水が続く。接岸後、米、基地へ。無断で乗せた犬が飛び回っている。回転衝角とシュナイダープロペラで砕氷を続行、セキュリティは徐々に侵されていくが、CPUは稼働中。

　結局、南極の医師人に仕事が増えるだろうと、思い、ブリッジから、データ処理部へ、もう言うことは残らず、白亜の大陸へ。

　宇宙歴5431、TELA軌道上、銀河連邦エンタープライズ級戦艦、一部に、「時間矛盾期間」が観測された。おそらく、自転による渦巻き状の気流が局地的に発生。

2020.12